体をめぐる『商品』という文化についての展示
千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館では、2016年11月7日(日)までの日程で『体をめぐる商品史』を行っている。
展示ではおもに大正時代から1980年代頃までの身体観や、デザインの変化を商品や雑誌、カタログや広告といった当時の人々にとって身近なメディアの分野から、服飾、レジャー、スポーツ、衛生、美容というテーマに基づき、展示によって理解していくという構成だ。
デザインの変遷について
日本では明治末期から工業化が進み、流通網も発達していった。そして新商品が開発されるたびにデザインは変わっていくのだが、一方変化に対する抵抗感や過去の見直しという動きもあった。
メディア化していた百貨店の三越は、近代化を進めると同時にあえて江戸らしさを取り込むことにより、新たなデザインを生み出すという手法をとっていた。
健康観の変遷
健康観の変遷については、お雇い外国人と言われた人々から、レジャーやスポーツも一般に浸透していったが、戦時中は武士道精神が重要視され、娯楽性が否定されていたという歴史がある。
衛生面では入浴の形も大きく変わった。明治20年代から顔を洗える化粧石鹸が現れ、さらに昭和初期には髪専用のシャンプーも発売されるようになると現在のように頻繁に入浴をするようになる。
なお大正時代、小学生と母親にむけた歯磨きの啓蒙活動が行われたため、戦後以降にはそれに使う道具の改良がすすみ、日常の習慣となっていった。
化粧の文化について
化粧は和風から欧米化することによって大きな変遷をとげたが、その時代の流行によってさらに大きく変化を続けている文化だ。
1960年代前半に入り、ピンク色の口紅が流行すると1960年代後半に夏の日焼けとともにアイメイクが普及していった。
だが1970年代には和の美を見直すようになっていったほか、1980年代中頃にはアイドルを化粧品のモデルに起用したこともあり、より女性のかわいらしさを強調したものへ変化していった。
流行により化粧の形が大きく変わるのは現在も続いている動きである。
休館日は毎週月曜日(休日の場合は翌日が休館日)で、開館時間は9:30から16:30まで(入館は16:00まで)である。
国立歴史民俗博物館 企画展示
https://www.rekihaku.ac.jp/exhibitions/project/index.html