自動人形オートマタが集結
東京都八王子市にある八王子市夢美術館では現在、「イギリスからくり玩具展 ポール・スプナーとイギリスオートマタの現在」を2017年1月22日(日)までの日程で行っている。
オートマタというのは、西洋で作られた自動で動く機械仕掛けの人形ということで知られている。日本で言うならば江戸期に流行したからくり人形が近いだろう。
西洋のオートマタは、18世紀中頃から19世紀にかけ、フランスの貴族や富豪の間で大流行し、技術の粋を集めた工芸品として発展していったものである。
オートマタの新しい世界を開いたアーティスト集団
展示しているオートマタを手がけたイギリスの作家であるポール・スプーナーらである。
かつてロンドン・コペントガーデンにあった現代オートマタ常設館を本拠地としてオートマタ・アーティスト集団として活躍していたため、日本をはじめ世界中に熱狂的なファンやコレクターがいるだけでなく、彼らの作品は現在も多くのオートマタ作家に影響を与えている。
さらに現代では、その機械仕掛けの技術はそのままとして、アートとしくみの巧みさが同居するような新しいオートマタも登場しているため、注目されている。
いままでのオートマタは、内部構造やしかけを一切見せないのが普通とされていた。
しかし、ポール・スプーナーらが作る作品の多くは、オートマタを動かすためのしくみを一体化して「見せる」という新しい発想にて作られている。こういった遊び心が、現代オートマタを子供だけでなく大人も楽しめる幅広い世代の心をつかんだポイントだろう。
オートマタだけではなく図面なども展示
今回の展覧会ではオートマタ約60点にくわえて、図面やスケッチ類も一部展示される。さらに大部分のオートマタは実際に動く様子も見ることができる。
今回紹介されるイギリスの現代オートマタは、その動作のユニークさとアーティスティックな形をあわせ持つ作品になっている。ハンドルを回すと機械要素であるカムやクランクといった部品の効果によって人形たちに楽しい動きがもたらされ、その世界の中で、小さなストーリーが展開されていくようになっている。
休館日は毎週月曜日(祝日にあたる場合は開館)で、開館時間は10:00から19:00(入館は閉館の30分前まで)である。

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