野村正治郎コレクションの優品がつどう
千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館では、12月18日(日)までの日程で「『もの』からみる近世『百貨店と近世の織物』」の企画展示を行っている。
この展覧会では「慶長風俗展覧会」(銀座・松屋呉服店で大正15年に開催)、「近松時代風俗展覧会」(長堀橋・高島屋呉服店で大正11年に開催)「友禅遺品展覧会」(高麗橋および日本橋三越呉服店で大正9年に開催)「友禅斎謝恩碑落成法要」(大正10年)をとりあげる。
なお展示する近世の染織品のほとんどは、国内はもとより海外でも高い評価をうけている古美術商の野村正治郎のコレクションである。
百貨店の展覧会事業で行われていた展示販売
展覧会だが、開催されるのは博物館や美術館といった専門施設に限られたことではなく、百貨店もその主要な場の一つである。
近代においては、新製品を売り出すにあたりメディアの一つと化していた百貨店にて、参考品として歴史的な資料を同時に陳列するということが行われてきた。
それは商品に歴史的な裏付けがあるという価値を新製品に与えて、所持するということの趣味の良さを訴えかけることにつながっていた。
同時にこれらの染織品を百貨店がどのように利用し、販売につなげていたかを見ることができるため、新しい文化が発見されると同時にその消費されるさまがわかるようになっているだけでなく、江戸時代の小袖の優品がまとまって見られる貴重な機会でもある。
休館日は毎週月曜日(休日の場合は開館し、翌日休館)で、開館時間は9:30から16:30(入館は16:00)までである。
国立歴史民俗博物館 特集展示
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