明治維新で様変わりした日本画の場面
東京都渋谷区にある日本初の日本画専門美術館である山種美術館では、2016年12月10日(土)から2月5日(日)までの期間、開館50年記念特別展の一環として「山種コレクション名品選3『日本画の教科書』京都編 -栖鳳、松園から竹喬、平八郎へ-」を行っている。
明治時代以降、日本は西欧列強に政治および生活スタイルをならうということを行ったため、日本の環境はあらゆる面で大きく様変わりしていった。
そのため日本画家たちは流入してきた西洋画を強く意識すると同時に、新時代にふさわしい日本画を模索していったという一面がある。
このことは伝統を規範としつつ旧来の枠組みを超えた動きが日本画に新局面をもたらしたといえる。
明治以降の京都画壇
こういった改革の背景には、京都画壇が新たな要素を次々と受け入れていった柔軟な土壌を持っており、日本画にさまざまな方向性を生み出したのだ。
そのため京都は平安時代以降のやまと絵の表現および、江戸時代の円山四条派から続く写生の伝統を受け継ぐ一方、日本美術の発展をめざし、日本初の画学校を開校させるといった革新かつ組織的に取り組んでいった。
この学校からは近代を代表する画家でありかつ女性初の文化勲章受章者である上村松園ほか、多数の才能豊かな日本画家が誕生している。
山種コレクション所有の貴重な作品郡
この美術館は今年開館50周年を迎えることから、記念として山種コレクションを代表する日本画を厳選した展覧会を行っている。今回は京都画壇、続く次回は東京画壇と計2回にわけて紹介する。
みどころは京都画壇を代表する、竹内栖鳳、上村松園、小野竹喬、福田平八郎、山口華楊、上村松篁といった日本画家の名品が一堂に集まる点だ。くわえて切手や教科書などで一度は目にしたことがある、といった有名作品も展示される。
日本画壇を牽引していった貴重な作品をその場で見れるという点からも、ぜひ訪れてみたい展覧会である。
休館日は毎週月曜日(ただし1/9は開館し、1/10に休館)および、年末年始の12/29から1/2まで。開館時間は10:00から17:00(入館は16:30)まで。
(画像は山種美術館トップページより)

山種美術館 日本画の教科書 京都編 -栖鳳、松園から竹喬、平八郎へ-
http://www.yamatane-museum.jp/exh/2016/nihonga.html