3人のアーティストが別視点から考察する
エルメス財団は、2016年12月21日(水)から2017年2月26日(日)までの間、東京都中央区銀座にある銀座メゾンエルメスフォーラムにて、「曖昧な関係」展を開催する。
これは世代や国籍、表現方法も異なる3人のアーティストの作品によって、作品と身体の間に生まれるアートとカルチャーの関係性を考察するグループ展だ。
作家は、スイスのジュエリー作家であるベルンハルト・ショービンガー、フランス人の画家であるアンヌ・ロール・サクリスト、ベルリン在住の不可視のマテリアルを表現するアーティストのナイル・ケティングの3人となっている。
アーティスト達の手法と描き出すもの
ベルンハルトの表現は、身につけることが前提となっているジュエリー制作を通じて、身体の物質性およびその強さと弱さ、人間のもつ欲望を描き出す。
今回はジュエリーを人間の身体から離すことによって初めてその有用性が描き出され、その主従の曖昧な反転を表現する。
サクリストは画家であるゆえに絵画表現の領域を問い続けている。絵画はルネッサンス時代に遠近法により改革され、作者の視点を観客側へ移行させた。
だがその後、カメラの発明や映像表現を経ても、絵画の中に物理的に入ることは不可能である。人類がまだ言語も持たない時から描いてきたが、未だ近くて遠い存在である絵画が持っている場所の魅力にせまる。
そしてケティングの作品だが、不可視のマテリアル、つまり視覚以外の感覚をもって感じる、新しい物質性の感知およびコミュニケーションを扱い、それをシグナルや香りといった現象に置き換えて表現をしている。
イタリアの思想家である、マリオ・ペル二オーラがしたためた本「エニグマ」の内容を引用しつつ、近未来的な身体と物性の関係、そして新たな公共性の知覚を提案する。
年末年始の2016年12月31日から2017年1月2日までは休館日で、そのほかは不定休。開館時間はエルメス銀座店の営業時間に準じており月曜日から土曜日までは11:00から20:00、日曜日は11:00から19:00までが開館時間で、いずれも入場は閉館の30分前まで。入場は無料である。
(画像はエルメス公式サイトトップページより)

銀座メゾンエルメス 「曖昧な関係」展
http://www.maisonhermes.jp/ginza/le-forum/archives/352957/