葛飾北斎の代表作として「富嶽三十六景」と双璧をなす「北斎漫画」
東京都渋谷区にある太田記念美術館では、企画展として2016年7月1日(金)から7月28日(木)の期間、『北斎漫画ー森羅万象のスケッチ』を行う。
葛飾北斎(1760-1849)はさまざまな作品を手がけた浮世絵師であるが、その名を世界中に広めるきっかけとなった作品が「富嶽三十六景」と、今回の展示である「北斎漫画」である。
北斎の作品は浮世絵の展覧会だと、肉筆画や一枚摺の錦絵がメインとなって展示されるが、絵本が展示される機会はあまり多くない。
そのため今回の展覧会のように、北斎の絵本をまとめて鑑賞することができる機会は大変貴重である。
北斎漫画について
初編は文化11(1814)年、北斎が55歳のときに手がけられたが、その人気は北斎が亡くなったあとも衰えることなく、明治11年にようやく15編すべての出版が完結した。
北斎漫画は実にさまざまな題材を描いており、キーワードが7つに分けられて描かれている。それは躍動・滑稽・生活・自然・動物・妖怪・建築に分けられていた。
その視点はまるで科学者のように丹念に観察されていたが、躍動感あふれる動きや、滑稽さに満ちており、まことに北斎らしさが出ている作品である。
なお北斎は他にもさまざまな絵本を制作しており、それゆえ北斎の画業を考える上では、『絵本』というキーワードが実に重要になってくるのである。
休館日は7月4・11・19・25日であり、開館時間は10:30から17:30(入館は17:00まで)である。

太田記念博物館展覧会 「北斎漫画-森羅万象のスケッチ」
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/