新興都市・江戸にて芽吹いた木版画
千葉県千葉市にある千葉市美術館では、開館20周年記念展として、「初期浮世絵展 -版の力・筆の力-」を2016年2月28日まで行う。
この展覧会では、大英博物館・シカゴ美術館・ホノルル美術館といった海外の美術館などからさまざまな浮世絵が里帰りし、展示される。
江戸時代、長らく太平の世が続いていたことから、江戸は新興都市として町そのものだけではなく、文化の発展も進んでいた。浮世絵はそのような時代背景の中で生まれた。
そもそも浮世絵は、木版画であるため量産が可能なため値段が安く、当世の流行を即座に取り入れた制作のスピードが、庶民に至るまで気軽に絵を楽しむことができるという世界でも稀な文化状況を生み出した。
一方で、肉筆画のように日本の伝統的な技法で描く屏風や掛軸、絵巻物の形式にもおよび、富裕層へのひろがりもみせた。
町衆の中で育っていく浮世絵
町人らを主とする民衆が、江戸にて自信と愛着を深めていった17世紀後半に、浮世絵の始祖と位置づけられる菱川師宣が活躍。
浮世絵は流行の衣装に身を包む美人や、歌舞伎のスター、そして江戸における人々の風俗などを描いた結果、時代を謳歌する気分ともあいなって、高い人気を得ることとなった。
この展覧会では近世初期風俗がから菱川師宣前後の浮世絵誕生の状況、鳥居清信や鳥居清倍が歌舞伎絵界にて圧倒的な地位を築く初期の鳥居派からはじまる。
そして鳥居派及び菱川派両方を独学で学び、自分の絵を生み出した変わり種の奥村政信や、多様な活躍を見せていた石川豊信、そして高度な多色刷り、いわゆる錦絵を誕生させた鈴木春信までが見られるという、日本初の総合的な初期浮世絵の展覧会である。
休館日は毎月第一月曜日(祝日の場合は翌日が休館)で、開館時間は10:00から18:00までだが、金・土曜日は20:00まで(いずれも入場は閉館の30分前まで)。
初期浮世絵展 -版の力・筆の力- プレスリリース
http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2015/0104/0104_press.pdf