デビュー前夜の姿を映す
東京都千代田区にある東京国立近代美術館では、2016年11月22日から2017年2月12日まで、企画展として「瑛九1935-1937 闇の中で「レアル」をさがす」を行っている。
瑛九(えいきゅう)とは、本名を杉田英雄(1911-1960)という芸術家である。1936年にフォト・デッサン集『眠りの理由』で芸術界に鮮烈なデビューをはたした。
戦後の前衛美術のなか、岡本太郎などとともに重要なアーティストとされており、立ち止まることなく、さまざまな技術を駆使しながら独自のイメージを探求していったアーティストである。
この姿は、当時まだ若かった細江英公(写真家)、池田満寿夫(版画家)、河原温(現代美術家)などに多大な影響を与えた功績がある。
ミニ回顧展の魅力も秘めている
今回の展覧会では、東京国立近代美術館では約50点の初公開作品および、関連資料にくわえて、以前からこの美術館が所蔵している作品もまじえ、「レアル(リアル)」を求め、タイトルにもあるように「1935-1937」は、瑛九が24歳から26歳までの苦闘するデビュー前後の3年間に焦点をおき、瑛九の実像を紹介する構成となっている。
ほかはデッサンだけでなく、エッチングやリトグラフといった戦後の版画作品、そして晩年描いた油絵による点描作品といったものも10点ほど展示し、計60点のミニ回顧展としての魅力も秘めている展覧会だ。
休館日は毎週月曜日(1月2日、1月9日は開館)と、年末年始(2016年12月28日から2017年1月1日)および1月10日である。開館時間は10:00から17:00(金・土は20:00まで)である。いずれも入館時間は閉館の30分まで。

東京国立近代美術館 「瑛九1935-1937 闇の中で「レアル」をさがす」
http://www.momat.go.jp/am/exhibition/ei-q/