大阪市立自然史博物館では、平成21年12月5日(土)から平成22年1月17日(日)まで、特別陳列「ヘルマン・ヘッセ昆虫展」~少年の日の思い出~ を開催する。ヘッセの作品を、文章と水彩画と昆虫標本が融合され具現化することは、初めての試みであり、本展示会では、ヘッセの採集品であるパルテベニヒカゲも初公開される。
ノーベル賞作家でもあるヘッセは、神々の美しき創造物であるチョウ類を生涯にわたって愛しつづけ、きらめきながら消えゆく生命の神秘をうたいあげた詩歌・散文作品の数々を残した。特に、むさぼるような恍惚感を表現した感動作『クジャクヤママユ』(1911)の改稿『少年の日の思い出』(1931)は、中学国語の教科書に63年間も掲載され続けており、わが国で最も多くの人びとに読まれた海外文学作品だ。
展示会では、ヘッセの故郷ドイツや終焉の地スイスから取り寄せたチョウ・ガの貴重な乾燥標本や、ヘッセ自身が少年時代に見たものと同じ19世紀末の図鑑から取り出した銅版画のチョウ・ガ、ヘッセ手描きの水彩画(複製)など、奥深く重厚な資料を用い、世界的文人の「自然美」への畏敬と感性とを具体的に表現する。
開催は12月5日(土)から平成22年1月17日(日)まで大阪市立自然史博物館2階イベントスペース。観覧料は大人300円、高校生・大学生 200円。
ヘッセといえば、『郷愁』、『車輪の下』、『デーミアン』、『シッダールタ』などで有名なノーベル賞作家だ。彼の少年期を知ることは、その作品を理解する上で非常に役立つことだろう。
〈特別陳列に関する問い合わせ先〉
大阪市立自然史博物館
■06-6697-6221
ファックス06-6697-6225
(編集部 小板橋)